Sample audit / reviewed 2026-07-18
「100万円のAI研修が実質25万円」の読み解き
「助成率75%」という制度は実在します。ただし、100万円の研修を買えば、誰でも自動的に75万円が戻るという意味ではありません。
判定要条件確認
対象コース、会社・受講者・訓練の要件、1人当たり上限、申請時期、不支給時の負担、消費税の扱いを書面で確認してください。
何が事実か
厚生労働省の人材開発支援助成金には「事業展開等リスキリング支援コース」があり、中小企業の経費助成率は75%です。 一方で、主な要件には次のようなものがあります。
- 申請者が雇用保険適用事業所の事業主である
- 受講者が雇用保険被保険者である
- 訓練が受講者の職務に直接関連し、原則10時間以上である
- 訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出する
- 支給申請日までに事業主が訓練経費を全額負担する
- 支給対象経費に消費税は含まれない
したがって「実質25万円」は、制度上の最大助成率だけを使った条件付きの税抜き計算です。
省略されやすい4点
1. 会社がいったん全額を負担する
助成金は購入時の値引きではありません。不支給や減額になれば、その分は会社負担として残ります。
2. 1人当たりの限度額がある
| 実訓練時間 | 中小企業・1人1訓練当たり |
|---|---|
| 10時間以上100時間未満 | 30万円 |
| 100時間以上200時間未満 | 40万円 |
| 200時間以上 | 50万円 |
eラーニング・通信制等は、中小企業の場合1人15万円が限度とされています。受講人数、提供形式、訓練時間によっては、100万円の75%をそのまま受け取れません。
3. 消費税は助成対象外
仮に税抜100万円の全額が対象となり、上限にもかからず75万円が支給された場合でも、税込の支払額は110万円です。 単純な現金差額は35万円で、「25万円」とは一致しません。実際の税務上の負担は事業者ごとに異なります。
4. 2026年5月から価格説明が厳格化された
厚生労働省は2026年5月14日から、支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出を求めています。
営業担当へ書面で聞く10問
- 想定している助成金の正式名称とコース名は何ですか。
- 当社と受講予定者が満たすべき要件を一覧でもらえますか。
- 研修のどの費目が支給対象で、どの費目が対象外ですか。
- 受講人数、1人当たり価格、訓練時間、実施形式を示してください。
- 1人1訓練当たりの限度額を反映した助成見込額はいくらですか。
- 消費税を含めた実際の支払額と、支給後の差額はいくらですか。
- 会社が全額を支払う時期と、助成金が支給される想定時期はいつですか。
- 不支給・減額になった場合、価格や契約はどうなりますか。
- 計画届の提出期限に間に合う根拠はありますか。
- 助成金を使わない顧客向けの通常価格と、価格差の理由は何ですか。
この表現の査定
広告表現 3 / 10点
研修内容そのものの品質ではなく、「100万円が実質25万円」という営業表現だけの暫定評価です。
参照した一次資料
本稿は2026年7月18日時点の公開資料をもとにした一般的な情報整理で、助成金の支給可否判断、申請代行、法務・税務助言ではありません。 個別案件は管轄労働局、社会保険労務士、税理士等へ確認してください。
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